子育て母の会 2024年度 6回目

今回のひだまりは、年末掃除の先取り、手ごわい汚れに挑戦しようと集まった、スタッフ3人とお客様の4人の奮闘の記録です。

 

新年を清々しく迎えたいと、勤しんできた大掃除。年の瀬がいよいよ押し寄せて来ると予定に押し流され、諦めと後悔に苛まれる家事の中のワースト1。汚れを落とすという作業がもっとスッキリ、どんどん捗ったら、憂鬱にならずに済むのに2024年の残り2ヶ月をスッキリどんどんで乗り切るために一足早く手強い汚れに挑戦してみました。
 
実験台となったのは2種類のフィルター。
片方はOさんの台所の換気扇から外して来たもの。もう一つはMさん宅のエアコンのフィルター。期せずして汚れの性質が異なるフィルターで作業することになりました。
 
汚れ落としの第一歩は汚れの性質を知ることです。皮脂や油、タンパク質系の汚れは酸性、水あか、石鹸かすなどはアルカリ性に分かれます。汚れを落とすということはその性質を分解し中和させるということです。落ちにくい汚れとは、時間とともに堆積する、酸化する、固まる、を繰り返して出来上がったもの。今回厄介者となった汚れを迎え撃つ戦力は酸性の急先鋒クエン酸、そして弱い重曹から、セスキ炭酸ソーダ、せっけんと移り、最も強い過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)のアルカリ部隊。これらはすべて天然の有機化合物なのでナチュラル洗剤とよばれ、環境にもやさしく安心して使えるのがよいところです。
 
最初に取り掛かった換気扇のフィルター。細かい穴を通過していくらか固まった油でべったりと覆われていました。捨て布で油をできるだけ拭き取ってから、乾いた重曹をふりかけてこする。研磨剤となった重曹が油を取り込んでぽろぽろと落ちる。これだけでもスッキリ効果あり。フィルターの目の詰まりや油が固まったところはセスキ炭酸ソーダと粉せっけんと水をペースト状にして歯ブラシでこすると油が緩んではがれていくのがよくわかります。いきなり強い洗剤を使わなくても、汚れの度合いに合わせて段階的にアルカリ度を高めていけばよいことに気づけば、いつのまにか実験をしているような感覚で汚れ落としが楽しくなっていました。ヌルヌルになった汚れを、お湯で洗い流して(洗い流せない場合はクエン酸液をスプレーして中和した上で水ぶきして)フィルターをから乾拭きすると思わず「オオ!」と称賛の声が上がりました。
 
エアコンのフィルターの方は、目詰まりがすっきりと取れないのが悩みどころ。フィルターについた空気中の微量の油分でほこりが吸着したのが原因ではと判断しました。まずほこりをよく落としてから重曹水スプレーして歯ブラシでこすると、これだけで網目の詰まりが無くなるのが確認できました。
 
 洗い物をしたついでにステンレスのシンクも掃除しました。普段あまり調理に使うことがないとはいえ、汚れが重なり曇っていたので、重曹の研磨力で汚れをはがすと同時にせっけんで油分を溶しながらたわしでこすって洗い流す。続いてシンクをはじめ、水道の蛇口、水はねが目立つステンレスの壁など、クエン酸を吹きかけてよくこすると水あかが取れて輝きが戻りました。排水口には過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)を大さじ2杯振り入れて、50℃くらいのお湯を注ぎ、30分ほど置いてから水を流しました。お湯を流すと熱に反応して発砲するのが確かめられ、浮き上がった汚れが一気に流れてゆくのを思い描くのは爽快でした。
 
限られた時間での実習でしたが、すぐに使える発見がいくつもありました。汚れの性質を把握することと、アルカリ洗剤は汚れの度合いに応じて使うことのほか、
1
重曹はアルカリ度が一番マイルドでも研磨力がある
2
せっけんは重曹やセスキ炭酸ソーダより汚れを分解する力が強い
3
汚れの度合い、或いは場所に応じて洗剤をドライ、少量の水を加えてペースト状で、水に溶かした溶液として、使い分ける
4
熱を加えると汚れを分解する力が強くなる
当然ながら、洗うものの材質に適しているかどうか、洗剤の取り扱い(特にアルカリ性と酸性の洗剤はまぜないなど)など、安全に注意するのは、大前提です。
 
敵と武器。この二つを知ることでこれほど掃除が楽しくなるものか、と参加者一同「汚れバスターズ」になったような高揚感を味わいました。とはいえ、そもそも汚れを溜めなければ最小限の手間と時間と洗剤で憂鬱にならずに済むこと。ゴールはもう少し先。ひだまりでもう少し模索してみたいと思いました。

読書:「意志を鍛錬させること」
 ー羽仁もと子選集
    『おさなごを発見せよ』ー

お知らせ
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月のひだまりはお休みです。
次回は1214日(土)。こうれいのクリスマス会を開きます。お楽しみに!